敷地の三方を崖に囲まれた岬のような場所に建つ、築50年の木造平屋の古家を改修した住宅。伝統的な”数寄屋”を解釈し、様々な空間が庭によって繋がる開放的な住居としました。また、その数寄屋の形式性と空間のゆとりにより、家の中で冠婚葬祭(ハレ)を受け入れられる社会性を持たせています。既存建物を残すことを目的化せず、過去の建物と新しい建物とが、同じ場所に居合わせることにより偶然生まれる豊かさを追求しました。
改修にあたり、既存建物の違法増築部分を減築により取り除き、建設当初の形に戻した上で必要な増築を施しました。また、既存部分も含めて建物全体の構造は新築同等となり、新耐震基準にも適合しています。
南北にこの敷地の環境を特徴づける立派な梅の木が立つことに因んで、梅の木の剪定のように既存の建物に手を加えたことから「双梅居(そうばいきょ)」と名付けました。
2022年7月
立地:横浜市中区
主用途:戸建住宅
設計種別:減築・増築・改修
構造種別:木造平屋
延床面積:160.63㎡
照明設計:mantle design
施工:志馬建設株式会社
キッチン施工:macaroni design